1915年から続く妊婦や乳幼児向け栄養製品のパイオニア企業であるワイス社は、厳しい市場で乳児用調製粉乳の高級ブランド「Illuma」を成長させるために、よりスマートな方法を必要としていました。リーチとブランドインパクトを向上させるために、多額の予算を投じることなく、複数のオーディエンスターゲティング手法を活用する方法を模索していたワイス社は、The Trade Deskが提供する革新的なデータドリブン戦略を採用することにしました。
広告主：Wyeth Nutrition |広告代理店：Zenith（Publicis Media）
手法：データドリブンなオーディエンスターゲティング、ハイインパクト動画（Wootag）、ブランドリフト調査（LnData）
厳しい市場におけるニッチなオーディエンスへのリーチ
ワイス社は1915年から続く妊婦や乳幼児向け栄養製品のパイオニア企業です。「Illuma」は、高品質な原料を使用し、理想的な栄養である母乳に近づけた乳児用調製粉乳の高級ブランドとして知られています。
ワイス社は、費用対効果の高いマーケティングキャンペーンを行うことで、台湾の子育て世代におけるIllumaブランドの認知度を高めたいと考えていました。しかし、台湾の出生率が低下し、台湾全体で育児スタイルがますます多様化していることを考慮すると、ワイス社は乳幼児の健康管理を優先し、高い購買力を持つニッチなオーディエンスにリーチする必要がありました。そのうえ、母乳育児を促進するために乳児用調製粉乳の広告を制限する台湾の規制が導入されたことで、課題はさらに複雑化しました。
新生児の消化器官は繊細なため、乳児用調製粉乳を途中で別のブランドに切り替えるのは難しいことがあります。そのため、ワイス社は出産したばかりの夫婦や出産を控えている夫婦をターゲットにする必要がありました。さらに、過去に実施したキャンペーンのパフォーマンスが標準以下でビュースルーのインサイトも限定的なため、正確なキャンペーン効果測定も必要でした。
同時に、ワイス社の代理店であるZenith社は、データ、効果測定、ブランドが提携してきたクリエイティブパートナーを統合して、ハイインパクトな動画広告でターゲット・オーディエンスにリーチしたいと考えていました。
台湾全土でブランドの成長とインパクトを促進するため、ワイスとZenithの両社は、費用対効果の高いデータドリブンキャンペーンを1箇所で実現するプログラマティックメディアバイイングプラットフォームを提供するThe Trade Deskとのコラボレーションを選択しました。
一つのプログラマティックプラットフォームを使用して複数の戦略を実現
Illumaの商品ラインは、乳幼児の発達に最適な特定の年齢層に対応しています。各発達段階の乳幼児の親を効果的にターゲットにするため、ワイス社はThe Trade Deskと密に協力して、発達段階ごとにキーワード、広告付きウェブサイト、スポンサー付き記事といった消費者のインターネット閲覧行動から得た複数のデータシグナルをまとめました。
The Trade Deskのチームは、これらのキーワードと広告在庫リストを使用して、カスタムオーディエンスセグメントを迅速に作成し、各オーディエンスのサイズを予測。さらに、最初のセグメンテーション前の3日以内に、広告付きウェブサイトにアクセス、または特定キーワードを含むコンテンツを3回以上閲覧した消費者を特定することで、Ilumaのオーディエンスをセグメント化しました。
最も価値の高い顧客へのリーチを拡大するために、ワイス社とZenith社はキャンペーンで他の4つのオーディエンスターゲティング戦略を活用しました。
- 行動ターゲティング（サードパーティデータ）
- 位置情報ターゲティング
- カスタムコンテクスチュアルターゲティング
- カスタムインボイスデータターゲティング
これらの戦略を活用することで、ワイス社はコストを最小限に抑えながらキャンペーンのリーチを最大化し、潜在顧客とリアルタイムにエンゲージメントし、最も魅力的なコンテンツ形式に関する貴重なインサイトを得ることができました。また、Zenith社はインタラクティブ動画広告プラットフォームを提供するWootag社と緊密に連携し、これらの戦略に基づいて、Illumaのターゲットオーディエンスに最も効果的なインパクトのある魅力的なクリエイティブ動画体験を生み出しました。
The Trade DeskのDSP（デマンドサイドプラットフォーム）を活用することで、ワイス社とZenith社は、各オーディエンスターゲティング戦略をシームレスに実施し、複数のデバイスで潜在顧客にリーチすることに成功。また、The Trade Deskの人工知能エンジン「Koa™」により、フリークエンシーと広告費の最適化を容易に行うことができました。
Illumaのコストベースの指標を決定することに加え、ワイス社とZenith社はLnData社と提携してブランドリフト調査を実施し、Illumaブランドの認知度を高めるキャンペーンの効果測定をしました。
リーチの拡大＆認知度の向上と同時にコストを削減
このキャンペーンは、リーチ、ブランド認知度、費用対効果においてワイス社の期待を上回り、複数のベンチマークを上回る結果となりました。動画広告完全視聴1回あたりのコストをキャンペーン目標より74％削減し、業界ベンチマークの2倍以上となる390万人のユニークユーザーにリーチ。また、キャンペーンの動画視聴完了率は、Ilumaの以前のソーシャルメディアキャンペーンやユーザー生成コンテンツプラットフォームの2倍でした。Zenith社は、The Trade Deskの高度なフリークエンシーコントロールツールを活用することで、ワイス社がキャンペーン予算をより効率的に使用し、リーチしたユニークユーザー数を67％増加させることに成功しました。
キャンペーンの効果をより詳細に把握するため、LnData社のブランドリフト調査を実施。Illumaのキャンペーンによって、ブランド選択率が292％、ブランド認知度が117％、購入意向率が58％、製品の好感度が9％向上したことがわかりました。
Illumaは、The Trade Deskのデータドリブンなオーディエンスターゲティング戦略でブランドとして成長。さらに、このキャンペーンで台湾全土の出産したばかりの夫婦や出産を控えている夫婦へのリーチに成功したことで、ワイス社はキャンペーンのインサイトを活用してオーディエンスプロファイルを構築し、将来のキャンペーンを改善し、そのインパクトを高めることができました。
「The Trade Deskを活用した台湾全土でのIllumaのマーケティングキャンペーンのスピードとシンプルさには本当に感銘を受けました。複数のオーディエンスターゲティング戦略の統合から、フリークエンシーと広告費のリアルタイム最適化まで、必要なツールがすべてそろっていました。新米ママや妊婦にリーチするという私たちの目標を難なく達成できました」
キャロル・カオ氏
Wyeth Nutrition マーケティングマネージャー