Hennessy、オムニチャネルキャンペーンで成功を収める
グローバルキャンペーンの活用でオーストラリアのオーディエンスの注目を獲得
250年以上受け継がれてきた豊かなレガシーと卓越したブレンドを誇るHenessyは、単なるコニャックブランドではなく、多彩な文化やコミュニティを受け入れている企業です。
2021年、Hennessyは有名なプロバスケットボールリーグ初のグローバルスピリッツパートナーとなりました。この提携には、エンターテイメントを通じて連帯感や絆を育みたいという両者の共通の想いが込められていました。その1年後、この画期的なパートナーシップを記念して、Hennessyは世界的なマーケティングキャンペーンを展開。オーストラリアの現地チームはグローバルパートナーシップを活用し、シドニー湾に浮かぶ「ヘネシーフローティング バスケットボールコート」キャンペーンでエンゲージメントを促進し、Hennessyのボトルのプロモーションを行いました。
Hennessyとその代理店であるラトリエ(L’Atelier:グループエムが運営する広告会社)はこれまで、複数のチャネルで別々にキャンペーンを実施してきましたが、すべてのチャネルにわたる全体像を把握し、プログラマティック広告を通じてキャンペーンを最適化する必要があると考え、オムニチャネルキャンペーンの実現に向けてThe Trade Deskにサポートを依頼しました。
状況を一変させたターゲティングと広告費の最適化
アッパーファネル、ミッドファネル、ローワーファネルそれぞれの結果を改善するため、ラトリエのキャンペーン担当チームとグループエムのプログラマティック・バイイング部門であるAssemblageは、ディスプレイ広告、ハイインパクトなリッチメディア広告、オンライン動画(OLV)、現地の放送動画オンデマンド(BVOD)を組み合わせ、オープンインターネットで展開しました。
これらのチャネルでターゲット層にリーチするため、オーストラリアおよびグローバルのクリエイティブチームは、The Trade Deskのプラットフォームを経由してプログラマティックに複数のチャネルで配信するための様々な広告を制作。キャンペーン担当チームはファーストパーティデータに加え、オーストラリアのロイヤルティプログラムであるFlybuysの購入者データなど、サードパーティデータも活用し、オーディエンスのターゲティングを実施しました。このターゲティングはThe Trade Deskの人工知能(AI)ツール、KoaTMを活用し、キャンペーン期間中にさらに最適化されました。
Hennessyとラトリエのチームを驚かせたのは、The Trade Deskのプラットフォームが提供するメトリクスの粒度です。かつてないほどきめ細かな指標を提供するこのプラットフォームの活用により、ブランディングとキャンペーンのパフォーマンスの両方の観点から、どの広告が最も高い効果を上げているかをほぼリアルタイムで特定することが可能となりました。
キャンペーン期間全体を通じて、The Trade Deskはコンサルタント的な立場でAssemblageチームと協力しながらデータを分析し、最適化戦略に関する提言を行いました。Hennessyはキャンペーン予算を臨機応変に配分する柔軟なアプローチに同意。これによりキャンペーン担当チームは、効果の出ていないフォーマットやクリエイティブから効果の高いものへと予算配分を移し、広告費をその都度最適化できるようになりました。
ブランド認知とキャンペーンの効果をさらに検討
キャンペーンがブランド認知に与える影響を理解するため、チームはThe Trade DeskのパートナーであるLucid(Cintのグループ企業)が提供するパネルベースの測定ソリューションを使用してブランドリフト調査を実施しました。この調査の主な目的は、広告の表示頻度がブランド認知に与えるインパクトを測定することでした。
この調査により、ブランド認知を高めるのに最適な表示頻度と広告のタイプが特定され、複数のチャネル全体でのフリークエンシーの目標と上限を緻密に設定することが可能になりました。
キャンペーンの効果をさらに最適化するためにチームが活用したのが、TheTrade Deskの別のパートナーであるPlayground XYZが提供するアテンション・インテリジェンス プラットフォームです。このプラットフォームは、消費者が広告を閲覧した時間の長さを秒単位で測定するもので、同意したユーザーから取得したアイトラッキングデータによって訓練・検証され、AIを活用してオーディエンスのアテンションタイムを大規模に測定します。
リーチ数とコンバージョン率を改善
The Trade Deskのプラットフォームを活用してオムニチャネルのフリークエンシーを総合的に管理したHennessyは、リーチ数を伸ばし、ユニークユーザー数がさらに530,000人増加。しかも、リーチあたりの費用15%削減にも成功しました。
The Trade Deskが提供する「検索およびソーシャルへの影響に関するレポート」により、Hennessyはアッパーファネルに対するプログラマティック広告が、検索やソーシャルメディア経由のクリックにポジティブな影響を与えていることを確認。このレポートの説明によれば、The Trade Deskを通じて配信されたプログラマティック広告を目にしたことでコンバージョン率が改善し、検索で327%、ソーシャルメディアで293%の増加が見られます。
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さらに、MetrixLabが実施したクロスメディア調査により、 ディスプレイ広告とBVODはソーシャルと同様のリーチとインパクトを 達成できることから、ソーシャル広告よりもコスト効率が 高いということが明らかになりました。最も注目すべきは、 ディスプレイ広告がすべてのチャネルにおいて3%という最小コストでありながら、 最高の効果を上げているということでした。
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オムニチャネル戦略は、コンバージョンまでの時間短縮においても効果があることが証明されました。 具体的には最大71.4%の短縮でした。 例えば、消費者が4つのチャネルでヘネシーの広告を目にした場合、 クリックしてランディングページにたどり着くまでにかかった期間は、 平均わずか2日でした。一方、 1つのチャネルで広告を目にした消費者の場合、7日かかっています。 また、2つ以上のチャネルで広告を目にした消費者が、 Hennessyの消費者向けウェブサイトで商品を「カートに追加」するまでのスピードは、 1つのチャネルで広告を目にした消費者に比べて 58%速くなっています。
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Lucidのブランドリフト調査によると、10回以上動画広告を目にした消費者の購入意向は5% 上昇しました。さらにクロスメディア調査では、オムニチャネル戦略、特にソーシャル、BVOD、ディスプレイ広告の組み合わせの有効性が 証明されました。3つすべてのチャネルで広告を目にした消費者は、広告を目にしていない消費者に比べ、 自発的認知が3.6倍、選好度が3.5倍、推奨すると答えた人は0%から17%に急増するなど、最も顕著な成果が 見られました。
また、Playground XYZのアテンション・インテリジェンス プラットフォームを用いて、Hennessyは、どの広告戦略においても、オーディエンスのアテンションタイムが 大幅に増加していることが確認できました。例えば、アテンションタイムは0.19秒(標準的なバナーの表示の場合)から 3.67秒(ハイインパクトなディスプレイ広告)に延び、キャンペーンに対して6日間に相当するアテンションタイムの増加を達成しました。
プログラマティック オムニチャネル戦略で記録的な効果を達成
Hennessyは今回初めて、アッパーファネルとローワーファネル両方の指標に対するオムニチャネルキャンペーンの効果を、 細かな粒度で把握できることのメリットを活かすことができ、ラトリエとAssemblageのチームは、望ましい結果に導くための最適化を その都度行えるようになりました。同社は、キャンペーンによって大幅なブランドリフトを実現できたことを、特に喜んでくださっています。
「The Trade Deskなら複数のチャネルで全ファネルを対象としたキャンペーンを展開できるだけでなく、従来できなかったレベルでのきめ細かなターゲティングも行うことができます。The Trade Deskのプラットフォームを活用したことで、従来のチャネルとデジタルチャネルを横断して連続するデータドリブンなジャーニーを生み出すことができ、より豊かな体験の構築とストーリーテリングが可能になりました。それが、広告効果の向上にもつながったようです。今回のキャンペーンでの学びを活かし、次回はより大規模に、より高い効果を生み出していきたいと考えています」
ギャビン・メリマン
Moët Hennessy、APAC地域・消費者エンゲージメント担当リーダー