マルチエレメントビディング(MEB)で親和性を高める

マーケターにとって、データを活用した広告配信は、より多くの顧客にリーチするだけでなく、最適な顧客にリーチするための最も重要なツールの1つです。データを活用した広告配信の成功は、関連性の高いデータを使用して最も価値の高いインプレッションを獲得できるかどうかにかかっています。The Trade Deskの新しいマルチエレメントビディング(MEB)機能なら、それが可能になります。詳細については、以下の記事をお読みください。


現在、マーケターにとってデータを活用した広告配信は、顧客をターゲティングする上で最も重要なツールの1つとなっています。データを活用した広告配信を行うことで対象のオーディエンス層に正確にリーチできるため、エンゲージメントとROIを向上させることが可能です。データドリブンキャンペーンの成功は、関連データを使用して最も価値の高いインプレッションの目標を達成できるかどうかにかかっています。このような理由から、 マルチエレメントビディング (MEB)と呼ばれる意思決定ロジックの大幅なアップグレードについてお知らせできることを嬉しく思います。

当初弊社の機能「Audience Predictor」でリリースされたMEBは、キャンペーンの目標に最も親和性の高いデータセグメントに一致するインプレッションに優先的に入札することで、精度とパフォーマンスを向上させます。この機能により、マーケターはターゲットオーディエンスにより効果的にリーチし、期待通りの結果を達成することができるようになります。

データのトレードオフを回避

MEBの価値を正しく理解するために、The Trade Deskはデータを使用したオーディエンス構築において現在マーケターが直面しているあらゆる課題を検討しました。大きなハードルの1つは、理想的なオーディエンスにリーチするために複数のデータセグメントをグループ化することです。

例えば、ベビー用品を販売する消費財(CPG)ブランドが、米国小売企業「Target」で買い物をする25歳から40歳までの出産したばかりの夫婦にリーチしたいと仮定します。そのオーディエンスにリーチするには、ブランドは「25~40歳」、「出産したばかりの夫婦」、「Targetの顧客」という特性ごとのセグメントを重ね合わせる必要があります。使用するセグメントごとにデータコストが発生するため、このタスクは高いコストの発生につながりかねません。また、インプレッションに入札するにはすべてのデータ要素が揃っている必要があるため、スケールが制限される可能性もあります。

MEBは、データの適用および購入に革新的なアプローチを導入することで、これらの課題を解決するのに役立ちます。MEBを活用することでより親和性の高いデータの階層化を実現し、よりスマートな入札価格の決定が可能になるため、ROIを確立するためにコストと価値のどちらかを選択しなければならないというトレードオフに悩む必要はありません。

「AND」/「OR」ロジックステートメントの解説

ユーザーがプラットフォームでオーディエンスセグメントを選択する場合、「and」または「or」ステートメントを使用して複数のセグメントを選択できます。例えば、あなたがユーザーで、ターゲット・オーディエンスが週3回ランニングを行っている18歳から45歳の成人女性だと仮定します。

  • 3つのセグメントで「and」ステートメントを使用すると、「18~45歳」「女性」「週3回ランニングを行っている人」という3つのセグメントすべてに該当する場合にのみ入札が行われます。「and」ステートメントに追加されるセグメントが多ければ多いほど、スケールはより小さくなります。
  • 3つのセグメントで「or」ステートメントを使用すると、これらのセグメントのいずれかに該当した場合に入札が行なわれます。通常、複数のセグメントで「or」ステートメントを使用すると、スケールは拡大します。

MEBの仕組み

MEBを活用することで、必要なデータを使用して期待通りのオーディエンスにリーチすると同時に、コストとスケールを最適化できます。以下に例をご紹介します。

  • あるフィットネスブランドが、新しいハイエンドのランニングシューズのプロモーションを行っています。
  • ターゲットオーディエンスは、世帯年収(HHI)が$150,000以上の週3回ランニングを行っている18歳から45歳までの個人です。
  • The Trade Deskのプラットフォームは、MEBを活用して各インプレッションの利用可能なデータを評価し、最も関連性の高いデータを含むインプレッションに広告費を優先的に配分します。

MEBが登場する前は、「or」ロジックを使用すると、プラットフォームは入札する単一のデータセグメントを探していました。プラットフォームが「18~45歳」にリーチしたインプレッションを見つけた場合、そのインプレッションに入札しますが、そのインプレッションと、「世帯年収(HHI)が$150,000以上」で「週3回ランニングを行っている人」といった複数のセグメントに一致するより親和性の高いインプレッションを区別していませんでした。

今回アップグレードされたアプローチでは、意思決定においてより多くのデータを使用することでターゲティングの精度とスケールのバランスを取りながら、関連するデータ要素を任意に組み合わせてインプレッションに入札できる柔軟性も実現します。さらに、The Trade Deskはデータプロバイダの協力のもと、コストを抑えながらより多くのデータを使用できる新しい価格決定メカニズムを導入しました。今後は、使用するデータセグメントごとにデータコスト全体を重ねるのではなく、キャンペーンとの親和性と価値に基づいて、適用されたデータセグメントに対して部分的に補正します。

MEBの3つの大きなメリット

  1. より親和性の高いデータを使用して、データコストを低く抑えながら、よりスマートな入札価格の決定を行うことができます。
  2. スケールを確保しながら最も親和性の高いオーディエンスに広告を配信することで、精度とパフォーマンスを向上させます。
  3. 弊社のデータマーケットプレイス全体でデータセグメントの精度と品質が向上し、データプロバイダはセグメントの親和性と価値に対して報酬を得ることができるようになりました。

キャンペーンでMEBを最大限に活用する方法

MEBを最大限活用するために、オーディエンスの構築に関するヒントをいくつかご紹介します。

  1. ターゲティングロジックを拡張:ロジックを使用してオーディエンスを構築しているものの、スケールの拡大に苦労している場合は、ロジックを使用してオーディエンスを構築した後、スケールのバランスを取りながらMEBとの親和性が最も高いインプレッションの購入することができます。
  2. 通常のセグメントと専門分野のセグメントを組み合わせて追加:MEBは親和性の段階に基づいてセグメントを分割して埋め合わせるため、以前はコスト的に難しかったリテールセグメントと専門分野のセグメントを追加して試すことができます。
  3. オーディエンス作成時にデータを追加:これまでは、最も親和性の高いデータを厳選してオーディエンスに追加していましたが、より親和性の高いセグメントのカテゴリーを追加できるようになり、MEBが推測に頼らずにキャンペーンで最も価値のあるデータを見つけることができます。

親和性を高め、パフォーマンスを向上させる大幅なアップグレード、それが「MEB」です。MEBを活用すると、より関連性の高いデータを使用して、広告に関心を持つ可能性の高いユーザーに正確にターゲティングできるため、キャンペーンの全体的な結果が向上します。


詳細については、The Trade Deskのアカウントマネージャーにお問い合わせください。